ユーザビリティを向上させるだけでは医療機器関連の医療事故は防げない

医療機器は正確な動作を長時間継続的が可能であり、医療において必要不可欠です。しかしながら医療機器を使用することによる医療事故やインシデントも報告されています。

そのため近年、医療機器のユーザビリティ向上が求められています。

医療機器のユーザビリティの動向

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjmi/85/5/85_523/_pdf

医療機器用途 操作スイッチガイダンスVer1.1

https://www.neca.or.jp/wp-content/uploads/Switch%20Guidance.pdf

医療機器のユーザビリティが向上すれば事故は起きないのか??

医療機器に関連する医療事故を低減させるにはデザインの向上が必要であるとずっと考えているのですが、医療機器のユーザビリティが改善されたら医療機器に関連した事故は発生しないのでしょうか??

ヒューマンエラーには意図した行動と意図しない行動があり、4つに分けられます。意図は正しかったが行動を誤ってしまう「し間違い」のエラーのスリップ、意図が間違っていて、間違った意図通りに正しく行動してしまう「思い込む」のエラーのミステイクがあります。

ユーザビリティの向上によって「し間違い」のエラーであるスリップは防止できると思われますが、「思い込み」のエラーであるミステイクは防止できないのではないでしょうか?思い込みをしている人間に対してユーザビリティの高い医療機器を使用させても間違った意図をとてもスムーズに実行させるだけではないでしょうか?

医療機器使用場面での思い込み

医療機器使用場面でどのような思い込みが起こるでしょうか?輸液ポンプのインシデント事例から抽出しました。

  • 流量設定を2ml/hのところ、4ml/hと思い込み設定間違い
  • 「500mlを12時間」と指示されたが時間当たりの流量に換算する際に計算間違い
  • 患者Aに投与する薬剤を患者Bに投与すると思い込んだ

他には人から人への伝達がうまくいない、コミュニケーションエラーによる思い込みも原因として考えられます。メンタルモデルの共有が上手くいかないエラーですね。メンタルモデルについては過去の記事をご覧下さい。

おわりに

医療機器関連の使用間違いを低減させるのにユーザビリティも向上は当然必要です。しかしそれだけでは片手落ちであり医療機器が使用されるプロセスに着目して思い込みのエラーを減らすアプローチも重要だと考えます。

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